きぃ、きぃ、きぃ。
古いからなのか、廊下を進むたびに心臓が破裂しそうになるくらい大きな軋む音が響く。
佐藤くんの部屋から一つ、二つ、三つ、障子で仕切られた部屋が続く。
そして───、足が止まる。
おぼんが、転がっていた。
そして、おぼんに乗っていただろう湯呑が二つ、明後日方向に落ちている。
随分と時間がたったからなのか、こぼれたお茶のせいで、木の廊下に大きなシミができていた。
私はそこから、少しずつ、少しずつ、視線を上げていく───そして、息を飲んだ。
「さ、佐藤くん……!」
そう、佐藤くんが倒れていた。
一気に血の気が引いて、私は思わず大きな声で彼の名前を呼ぶ。
慌てて駆け寄って、彼の肩を持って抱き上げると、
「佐藤くん、佐藤くん……!」
「ぅ、あ……」
ぐったりと、項垂れるように首を傾けて、佐藤くんが声を漏らす。
その額には尋常じゃないくらいに、汗が滲んでいた。上手く息ができないのか、何度も浅い呼吸を繰り返しては、咳をする。



