佐藤くんは甘くない




なんとなく、微妙な雰囲気になって私たちは無言で廊下を歩く。


そうして、目の前を歩いていた佐藤くんが止まる。私もそれに合わせて、足を止めた。ふいに顔を上げると、佐藤くんも振り返る。



「ここ」


佐藤くんの視線に合わせて、顔を上げると、その部屋だけは障子ではなく、普通のドアノブが付いた一般的なドアだった。



何の説明もなく、佐藤くんがそこを開けると、


「入って」


「あ、はい。お邪魔しまーす」


いそいそ、私は開けられたドアの向こうに。


瀬尾以外の男子の部屋に入るのは、初めてだ。なんだかちょっと緊張。


佐藤くんの部屋は、割と整頓されていた。……いや、整頓というよりも、物が少ないって言うべきなのだろう。


机と、ベットと、本棚。それだけがぽん、ぽん、ぽん、と部屋に配置されていて、佐藤くんの性格がよく表れていた。