佐藤くんは甘くない




「誰が嫌いになんて、なってやるもんか!」



熱かった。

彼女に触れられたところだけが、異様に熱かった。そして、そこを伝うように全身に熱が伝わっていく。


「どれだけ佐藤くんが私に嫌なことしたって、嫌いになんてなってやらないっ」


「っっ、そんなの嘘だっ!」


押しかえす。ばん、ばん。彼女の肩を叩いた。


「離せっ、」


「佐藤くん」


「離せぇっ……!」


「佐藤くん、」


一瞬、力が弱まる。ぐっと押し返そうとした、その瞬間。



「───那月!!」




ぴたりと、止まった。

ふざけんな、なんで。

なんで、こんなに、声が、震える。視界が、揺らぐんだ。なんで、こんなに苦しい。