最初から、間違ってたんだ。 変わろうだなんて、思うべきじゃなかった。 変わりたいだなんて、思うべきじゃなかった。 人を好きになるべきじゃ、なかった。 どうせ結果は変わらないのに、その事実に目をそむけて見ないふりをして、ずっと逃げていた。 だから、傷つく羽目になる。 だから、傷つかせる羽目になる。 最初から、全部、〝ぼく〟は─── 「……くん、佐藤くんッ!!」 鮮明に、はっきりと、呼ぶ声が聞こえた。