佐藤くんは甘くない




「うーっ……!!」


「ひ、ひまりちゃん」


私がびっくりして後ろに下がろうとすると、ひまりちゃんはますます私の背中に回した腕に力を込める。


「っっ、わたし、つよくなるから……!」

「ええっ」

「こはるちゃん守れるくらい、つよくなる……っ」

「そ、それは」


かっこいいひまりちゃんを想像してみる。

うわやば、どうしようちょっとかっこいい。……ってそんなこと想像している場合じゃない。



私は小さく震えるひまりちゃんの肩に、そっと手を置いてなでなで。とん、とん、としばらくひまりちゃんの背中を優しく叩いてあげると、


「……うっく、う……」


しゃくり返しながら、ひまりちゃんがゆっくりと顔を上げた。


ああ、もう。本当に可愛いんだから。佐藤くんも、ひまりちゃんも。

私のためなんかに、泣いてくれちゃって。


「ありがとう、そういってくれて」

「……う、ん」