佐藤くんは甘くない


***


「お待たせしましたー」


私は、いつもより明るい声を意識して、みんなのもとに戻った。


一番最初に反応したのは、ひまりちゃんだった。

首が取れるんじゃないかってほど、勢いよく振り返ると、いきなり立ち上がってずんずん私の前にやってくる。


そうして、じっと私の顔を覗き込む。


私の視界いっぱいに映り込んだひまりちゃんは、眉をあげて、何かを言おうとする寸前みたいな顔でぷるぷる震えていた。……こ、これは怒ってるんだろうか。


「っっ、こはるちゃん」


「はっ、はい」


「今、私はすごく怒ってます」


「……あはは」


そうだ、私は結局ひまりちゃんを守りきれなかった。

佐藤くんがあの場に居合わせてくれなかったら、きっと私もひまりちゃんも今頃大変な目に合っていたはずだ。……ひまりちゃんが怒るもの無理ない。


「……ひまりちゃん、」


ごめんね、と謝ろうとして───止まる。