佐藤くんは甘くない





その音がした瞬間、一気に力が抜ける。



佐藤くんの、怒った顔が浮かんだ。


私はそれを慌てて頭の中から消して、頬を押さえる。……熱い。物凄く、熱い。



いっ……。


まだ、馬鹿みたいに飛び跳ねている私の心臓が、物凄く、痛い。


左肩の痛みすら遠のくほどに、どくんどくんと、速いスピードで鼓動が脈を打つのが、分かった。



い、今のは。





「……いっ、今のは……、ずるすぎるっ」





そうして、私の心臓と、あほみたいに赤くなった頬が落ち着くまで、15分ほどかかってしまったのだった。