佐藤くんは甘くない




「……あっ、あんなタイミングで、助けてくれて」


ああ、くっそ。



「ドラマとかだったら、きっと佐藤くん王子様ですねー!」


……うるさい。


「ほ、ほんと、かっこよかったですもんっ」


うるさい、うるさい。うるさい。


「ええっと、だから……その、きっと、」




───心臓が、うるさい。





「やりましたね!きっと、ひまりちゃんも、助けてくれた佐藤くんのことかっこいいって思ったはずです……っ!」





そういって、顔を上げる。

私は、てっきり、佐藤くんが恥ずかしそうに照れているのだと思っていた。ずっと、私がまくしたてて、返事をしないのは、そのせいだって思っていた。


なのに。