佐藤くんは甘くない




しーん。


再び訪れる、気まずい沈黙。


佐藤くんは落ち着かないのか、しきりに机を指で叩いていた。とん、とん、とん、とん、とん。とと、とん。とん。


その音は次第に、遅くなり、速くなる。……ああ、音のせいなのか。


こんなにも落ち着かないのは、きっと、音のせいだ。


ついに耐え切れなくなって、私は思い切ってその後ろ姿に声を掛ける。



「佐藤きゅんっ、」




……そして、思いっきり噛んだ。


しきりに叩いていた指を止めて、佐藤くんが思いっきりジト目で私を睨んでくる。……うう不可抗力じゃないッスか。


「……なに」


まだ少しだけ顔の赤い佐藤くんが、首だけ私の方に傾けて、聞き返してくる。




「……で、でもですね。……あの、佐藤くんすっごくかっこよかったですよ」






ああ、きっと。

私はおかしい。いま、すごく、おかしい。