「───結城に、何かあったらって……すごく、怖かった」
「……ぁ、」
何か言わなきゃ。
うう、うるさいうるさい。こんな時に何バクバク言ってんだ私の心臓……!!
勝手に熱くなるな、馬鹿野郎。
「っっ、だから、あんまりあーゆーことは止めて」
佐藤くんが、恥ずかしそうに顔を伏せる。そのたび、艶のある綺麗な髪がゆらゆらと靡いた。
こんな時、何か気の利いた一言でも言えればいいのに。私は、何にも言えなくなってしまう。
そんな無言に耐え切れなくなったのか、今までにないくらいの大きな声で、
「っっ、つーか、こんなこと俺に言わせて、満足!?
……二度と言わないから。次、聞いたらぶっ殺す」
「あ、いや……はい。今後は、き、気を付けます迷惑かけて、すいませんでした」
小さく頭を下げる。
それは、本当に申し訳なく思っているからなのか、それとも佐藤くんにこのみっともない顔を見られたくないからなのか、自分でもよく、分からなかった。



