ぎこちない足取りで、佐藤くんが私の座っていた椅子のもう一つ向こう側の椅子に腰を下ろした。
私もつられて座る。
「……」
「……」
なぜか、重々しい空気が私たちの周りを包んでいた。
……ええっと、なぜ佐藤くんは来たんだろう。
ちらり、と佐藤くんの顔色を窺おうと視線上げたのと同時に、
「さっきの、」
「はっ、はい」
いきなり佐藤くんが口を開く。あんまりにもタイミングが良かったから、返事をした私の声は若干裏返ってしまったけれど。
「……まだ、痛むの」
「あ、いえもう大丈夫ッスよ。あれはちょっとした古傷なので、痛んだだけです。ほとんど直ってるんですけど、暗示……みたいなもので。触られるとちょっと痛むだけですから」
「なら、いいけど」
佐藤くんがほっと溜息をつく。
その時に、ようやく私は佐藤くんが心配してきてくれたのだということに気が付いた。



