佐藤くんは甘くない



***


そのあと、私たちは店長さんから本当に申し訳なかったと平謝りされ、私を応接室まで運んでくれたのだった。


私は、ぼーっとパイプ椅子に腰を下ろしながら、天井を見上げる。


「───これ」


いきなり、にょんっと透明のペットボトルがとびだしてきた。


私は思わず身を引いて、見上げる。瀬尾だった。

瀬尾は、手に持っていたペットボトルを私に無理やり持たせると、どこからかもってきた錠剤をプチプチと取り出す。


「痛み止め。あと、湿布ももらってきたから」


「……ありがと」


「痛む?」


「ううん、そんなに。……心配しなくても大丈夫だってば。相変わらず心配性だなぁ瀬尾は」


瀬尾が、無言で私に錠剤を握った手を、突き出してくる。


こうなると、瀬尾は意地でも私と話そうとしないから、私も何も言わずに手のひらを向けた。


けれど───


「───っっ、い、」



───ぐいっと、いきなり瀬尾が私の手を掴んで引っ張る。