あ、やばい。
私も瀬尾も、顔がすでに固まっていた。
「……」
「……」
「佐藤くんは、座らないの?」
何も知らないひまりちゃんが、ずっと立ち尽くしたままの佐藤くんに笑顔で声を掛ける。
「ああ、うん。座るよ、ここに」
やたら、〝ここ〟を強調して、怖すぎて佐藤くんの方向を向けなかった。
私にか聞こえないくらいの距離で「チッ」と思いっきり舌打ちして、佐藤くんが座る。こ、こえええええええやっべ、超怖ええええええええええええええええっ!!
「じゃあ、勉強しよっか」
ひまりちゃんがこの場を和ませるように、首を傾けながら微笑む。
隣の佐藤くんはと言えば、白けた顔で頬杖をついて、ひまりちゃんに聞こえないくらいの小さなため息をついた。すいません、本当にすません、私のせいです。ただひねくれてる佐藤くんも可愛い。
「こはるちゃんはどこが苦手なの?」
「えっあ、あの、」
いきなり目の前のひまりちゃんに話題を振られて、私は持っていた勉強道具を慌ててテーブルに広げる。



