「あ、こはるちゃーん。こっちこっちー!!」
ひまりちゃんが気づいたのか、私たちの方に元気に手を振る。
手を振るたびに、綺麗に整えられた柔らかそうな栗色の髪の先が、ふわふわと揺れる。ああ、ひまりちゃん私服も可愛い……!!
「やーやー。遅くなってごめんね」
「ううん。ちっとも」
ひまりちゃんが人懐っこい笑みを浮かべて、
「じゃあ、移動しよっか」
と、私の隣を歩きはじめる。その後ろを瀬尾と佐藤くんが歩いた。
私はなんとなく気になって、さりげなくひまりちゃんに、
「さっき、なんだか年上の女の人と話してなかった?」
と聞いてみた。ひまりちゃんはん?と一瞬考えるように、視線を上にあげて、それから、
「さっきの……?なんだか、佐藤くんが困ってるみたいだったから、あっちで待ってる人がいましたよーって声を掛けたの」
「なんでわかったの?」
「ああ、今日ほら、知らない人たちが集まって、合コン?があるんだよー。お姉ちゃんが、今日街中で、黄色いリストバンドしてる人は合コンする人だって教えてくれたから」
「ああ、なるほど」
ひまりちゃんのお姉さんとはあったことがないけれど、話に聞くところではひまりちゃんのような優しい性格ではなくしっかり者でかなり肉食と聞く。
なら、そのお姉さんが知っていてもおかしくない。
あの時は全然、派手なお姉さま方がリストバンドしていることなんて気づかなかった。
……ひまりちゃんは、たまに驚かされるほど、鋭いときがある。
なんていうか、見ていないようで見ているって感じだった。



