佐藤くんは甘くない



そうこういっているうちに、集合場所の駅前まで来てしまった。

土曜日なだけあって、出る人はいる人でかなりいりこんでいる様子。


「っと、今は10時13分、ちょうどいい時間ッスね」


とても不安そうに眉を下げる、佐藤くんは集合場所である大きな時計塔の前に立たせて、私たちは死角になりそうな駅の隅からひょっこりのぞき始める。


佐藤くんは落ち着かないのか、髪の毛をしきりにいじったり、腕時計を何度も見たりしていた。


「佐藤くん、大丈夫かな……」

「あれはかなり緊張してるっぽいな。心配すぎるっ」


はらはらしながら、覗き見る私たち。



「ママーあんなところで、覗き見してる変な人がいるよー」

「しっ見ちゃいけません」



……私たちのほうが、心配されていた。社会的に。

恥ずかしくって、私は後ろで私たちを指さしていた男の子と、疑わしげな視線を向けていたお母さんらしき人に会釈すると、ものすごい勢いで男の子を連れて逃げて行ってしまった。うう、酷い。


「───結城、結城!!」

「何すんのっ痛いわっ……!」

「違う、違うあそこ……!!」


ばんばん肩を叩かれ、私は瀬尾が指さした方向を見る。