もしかして、佐藤くんかなりの低血圧。

たらたら冷や汗を流しまくる私に、佐藤くんは氷のような冷たい表情で、


「今なにしやがった」

「ええっとですね、そ、空が綺麗で」

「ぶっ殺す」

「すいません、佐藤くんの天使のような寝顔を取ってしまいました今消します本当にすいません」


「貸して」


佐藤くんが今にも私のスマホの画面をたたき割りそうな勢いで、私から奪い取ると、無情にも私の取った写真を消すと、ぽいっと投げてくる。


「あ、とっと」

「次取ったら殺す」

「あはははは」

「ねえ、ヒトって目をつぶしたらどうなるのかな」

「それはガチめな止めときましょう、朝からそういう話は爽やかじゃないっすよ佐藤くん!」


結構目がマジだった。




「───何やってんだよ、お前ら。さっさと準備しろ。もう7時だぞ」



がちゃり、と開けてやってきたのは髪の毛ぼさぼさの瀬尾。いったいどうやって寝たらそんな風になるかと問いたくなるような髪型だった。