「ん……すぅ、」


佐藤くんが眉をしかめながら、寝返りを打った。そのせいで、こっちに向く佐藤くん。

うわ、可愛い。

佐藤くん、マジで可愛いぺろぺろした、いや待て私そこまで行ったら、なんか女子として終わりなきがする……!

今まで佐藤くん、女嫌いでなかなか近くでお目にかかる機会なんてなかったから、私はまじまじと佐藤くんの寝顔を拝見させていただくことにした。



ひええーそれにしても、何でこんなに肌綺麗なんだろう。すべすべだ。いったいどんな手入れをしたらこんな綺麗になれるんだ。

薄桃色の唇も、寝言のように何か呻くたび震えて、マジでこのこ本当に女の子にしか見えない。


まつ毛長いなぁー、これで素顔ですって言ったら全国の女子たちを敵に回しそうな勢いである。


「うへへ、無防備な一枚、取らせていただきやすよ……!」


スマホを構えて、カメラのシャッターを押した。

が。


───ぴろりん!


あ、やばい。思ったより、シャッター音大きかった。

一瞬固まった私の視界に───佐藤くんが、ぱっちりおめめを開けて私をじっと見ていた。あ、やばい。これはやばい。


「お、おはよーござます」

「今なにした」

開口一番がそれか……!


うわっ、佐藤くんいつもより声低っ、っていうからすごい不機嫌だ。綺麗な白いおでこに皺が寄りまくっている。