佐藤くんは甘くない




うわ、何だろう。

今すごい、佐藤くんを抱きしめてよしよししたい感情に襲われてしまった。


私にはないと思っていた母性本能を呼び起こす、恐ろしい子や佐藤くん。



「朝比奈さんに、そう思われてたら、……悔しい」


「佐藤くん、」


顔を伏せる佐藤くんに何を言うべきか、私は言葉を詰まらせてしまった。


今まで、誰かを好きになったことのない佐藤くん。

そして、女嫌いでも一生懸命ひたむきに進んでいく佐藤くん。


そんな彼を応援してしまいたくなる私もまた、瀬尾と同じ自己犠牲野郎なのだろうか。

でも、私は瀬尾よりもうまい言葉が言えないから、


「瀬尾はどこに何しに行ったんっすかねぇ」


……話を逸らすくらいしか、できなかった。


「なんか、男湯の脱衣所に置いてあったマッサージ機全部試すとか言ってた」

「あンのアホ」


やることが小学生すぎる。