私は、謎の期待の目を背中に受けながら、もらったコーヒー牛乳を手に、靴を履いて外へ。
佐藤くんは探すまでもなく、湯屋ののれんのすぐ隣で、ぼーっと壁にもたれ掛っていた。
そして、私が佐藤くんに一本コーヒー牛乳を差し出す。
一瞬目があった。が、すぐ逸らされた。
はは、結構クルものがある。こういう露骨に避けられるのって。
「どうぞ」
「……」
佐藤くんが無言でちらり、と見た。そうしてまたふいっとそらしてしまう。
いらない、と言わない限り私も諦めない。無理やり佐藤くんの頬に押し付けた。
「はい、」
「……」
嫌々そうに佐藤くんがそれを受け取る。私は、それを見届けた後、自分のコーヒー牛乳のふたをめくってごくっと一口。
「さっきのはすいません、私の配慮が足りませんでした」
「……別に、怒ってない」
佐藤くんは私と目も合わせないで、私がしたようにコーヒー牛乳のふたを取って、そのままじっと見下ろしていた。



