佐藤くんは甘くない



「ちょ、佐藤くん、」

大丈夫っすかと声を掛ける前に、


「は?何言ってんの?馬鹿じゃないの?俺がそんなんで動揺すると思ってんの?甘すぎだから、ほんと結城って馬鹿なんだにゃ」


「……今、噛みましたよね」


「噛んでない」


「そうかにゃ」


「うるさいっ」


佐藤くん、かなり動揺していたようだった。

そういえば、何かの推理小説で読んだことある。人はやましいことがあればあるほど、確信をつかれると饒舌になるのだと。うわあ、佐藤くんやっぱり素直だ。

動揺しまくってるのが壁越しからでも分かるとか。


「佐藤くん、露天風呂、入りました?」


「露天風呂なら、今さっき、瀬尾に無理やり潜水艦ごっこさせられたっつーのっ」

だからあんなに不機嫌だったのか。


「あそこ、周りを囲ってる柵が一つだけ緩いとこあるので、そこから女風呂の露天風呂、入れるんですよー」