佐藤くんは甘くない



あーっと、シャンプーシャンプー。


「……あれ?」


ない。

確かに瀬尾家から用具を持ってきたときはあったのに。うーん?目の前の鏡で、曇った私が首をかしげているのが見えた。


あっ。

もしかして、銭湯まで行くとき負けた奴が荷物を持つじゃんけんで、負けた瀬尾がたくさん抱えてたから、そのときに紛れちゃったか?


「あちゃー……」


お風呂に私の声が響き渡る。

うーん、銭湯に備え付けてあるシャンプーってリンスと兼用してるし、なんかぱさぱさするんだよなぁ。


どうするべきか。
仕方ないから、銭湯のシャンプーで我慢するか、と妥協しかけたその時。



───ガラガラ!!