びっくりして私も、瀬尾も、佐藤くんも一斉にドアの方を向く。
そこには、呆然と立ち尽くす瀬尾のお母さん美知恵ちゃんが、料理中だったのかお玉を持ったまま、私たちを見下ろしている。
そして、それから何かを知ってしまったかのような真っ青な顔で、
「───ふ、二人とも場所を選ばないと、こはるちゃんもい、いるのに」
「え?」
「は?」
「へ?」
私たちの疑問が一斉に重なる。
美知恵ちゃんが、あっと我に返ったように目を逸らしながらぶんぶんと手を振って、
「い、いいのよ、お母さん何も見ていないから……!た、たとえ恭ちゃんがお、男の子に興味が出ても、お母さんは、が、頑張って応援するわ……!」
場違いにガッツポーズをする美知恵ちゃん。
そして、いそいそとガッツポーズをしたままドアを閉めていく。がちゃん。
「……」
しばらく沈黙が部屋を支配して、
「俺はホモじゃねえぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!」
まるでホモが言う言い訳みたいに、瀬尾が叫んだのだった。



