「迷惑かな?」


私がひまりちゃんを意識しながら、申し訳なさそうな声音で言う。


佐藤くん、一瞬うっと言葉に詰まらせている様子だった。うはは、焦ってる焦ってる。答えは出てるはずなのに、どんだけシャイボーイなんだろう佐藤くん。


「……迷惑じゃ、」


ちらりと、私の顔を見て、それからまたぷいっと向こうを向く佐藤くん。


「……ない」


おおおおっ!!

佐藤くん言いおる!!

佐藤くんがあの佐藤くんが……!!お母さん泣きそうだよっようやく独り立ちする時までやってきたのね……!!




「かっ、かもしれない……っ」







「そこは言い切れよ」

「ほんとだよ」



やっぱり佐藤くんは佐藤くんだった。