今年の夏休み

「ワタルくんって言うの?かわい~ね!いくつ?」
「…は、二十歳になったばっかです」


店に入る前に未成年はヤバいだろ、ってことで
口裏合わせで二十歳ってことにしたのだ。
「ま、お前、老けてるしだいじょーぶ!バレないって」
ガハハと大笑いされたのだが、
褒められてんのか、けなされてんのか。


「きゃ☆ワタルたん、赤くなってるぅ~!」
「擦れてない男の子ってかわい~!」


大きく胸の開いたドレスは、角度を変えたら見えそうなくらいで
どぎまぎしながら、俯き、しょうがないから水割りを流し込む。


「二十歳って言えば、ルルちゃんも二十歳だったよね?」


お姉さん達は何やら話してて、1人の女の子を呼んだ。


「ヘルプはいりま~す!はじめまして!ルルと言います」


唖然とした。
隙がない化粧をしてるが、それは間違いなくワタナベだったからだ。
いつもしばっている髪はほどかれて、
柔らかくウェーブがかかり、
いつもより大人っぽく見えたけど
昼間俺にメアドを聞いたワタナベだった。