王の指示で東方同盟の騎士達が行動に移る。

が。

「ぐあっ!!」

その行動は既に帝国には読まれていた。

谷の向こうから放たれた帝国軍の弓兵の矢によって、東の騎士達は次々と射抜かれる!

その隙に東の地へと侵入を果たす帝国兵達。

早くも東と帝国の騎士達の戦闘は始まっていた。

統制の取れた動きで素早く吊り橋を駆け抜け、数多くの帝国の騎士が戦闘に加わり始める。

二百万という数にもかかわらず、その動きは迅速。

その全軍が東の地に乗り込んでくるのも時間の問題だった。

「吊り橋前で陣を敷け!侵入前に敵を止めろ!!」

更に王達が指示を出す。

如何に数が多いとはいえ、吊り橋は一人ずつしか渡れない。

ならば橋の手前で待ち構えれば一人ずつ相手が出来る。

しかし。

それすらも見越した上で、帝国はこちらの予想すらしなかった戦術をとってきた。