「冷血な石山も人の子だった訳だ」
「冷血? どういう意味だよ?」
石山が怪訝な顔をすると、清水は再び小さく笑って言った。
「国体予選の決勝じゃ、一度ダウンして効いている横山に、鬼のような左フックで仕留めてたじゃねぇか。しばらく立てなかった横山を見て思ったよ。石山は血も涙もねぇ男だってな」
「あれは試合なんだから仕方ないだろ? 横山は、最後まで右のカウンターを狙ってたしな。一ラウンドで終わったが、こっちも気が抜けなかったんだよ」
「右のカウンターねぇ。……見かけによらず、アイツしぶといんだな」
清水がそう言うと、今度は石山が小さく笑った。
「ホント、アイツは見かけと違ってハートがあるよ」
第二ラウンドが始まると、相手の方に変化があった。
前のラウンドの時よりも手数は少なくなったが、その分頭の位置を忙しく変えるようになった。そして、グイグイと前に出始めた。
「冷血? どういう意味だよ?」
石山が怪訝な顔をすると、清水は再び小さく笑って言った。
「国体予選の決勝じゃ、一度ダウンして効いている横山に、鬼のような左フックで仕留めてたじゃねぇか。しばらく立てなかった横山を見て思ったよ。石山は血も涙もねぇ男だってな」
「あれは試合なんだから仕方ないだろ? 横山は、最後まで右のカウンターを狙ってたしな。一ラウンドで終わったが、こっちも気が抜けなかったんだよ」
「右のカウンターねぇ。……見かけによらず、アイツしぶといんだな」
清水がそう言うと、今度は石山が小さく笑った。
「ホント、アイツは見かけと違ってハートがあるよ」
第二ラウンドが始まると、相手の方に変化があった。
前のラウンドの時よりも手数は少なくなったが、その分頭の位置を忙しく変えるようになった。そして、グイグイと前に出始めた。


