試合が開始されると、長身の横山は、両拳を前に出す独特の構えから、丹念に左ジャブを突いた。
背の低い相手は接近戦に持ち込もうとするが、横山の出す左ジャブが出鼻にヒットし、容易に近付けないでいた。
横山は時折右パンチを放つが、全て空を切った。やや振りが大きくパンチも流れ気味である。
石山が清水に言った。
「横山はいつもと違うんだよな」
「そうか?」
「この試合は、細かいフットワークと上体の動きが無いんだよ」
「……アイツ、倒す気満々なんじゃねぇのか? やけに右が大振りだしな」
「確かにな。……そう言えば横山は、昨日初めてのストップ勝ちだったんだよな」
石山がそう言うと、清水はニヤリと笑った。
「それだったら、また倒してやろうと色気が出ちまうかもな」
「近付かなかったら勝ち目はねぇぞ」
仲間にハッパを掛けられた相手は、横山の大振りの右をかわし、体を預けるようにしてロープ際へと押し込んだ。
背の低い相手は接近戦に持ち込もうとするが、横山の出す左ジャブが出鼻にヒットし、容易に近付けないでいた。
横山は時折右パンチを放つが、全て空を切った。やや振りが大きくパンチも流れ気味である。
石山が清水に言った。
「横山はいつもと違うんだよな」
「そうか?」
「この試合は、細かいフットワークと上体の動きが無いんだよ」
「……アイツ、倒す気満々なんじゃねぇのか? やけに右が大振りだしな」
「確かにな。……そう言えば横山は、昨日初めてのストップ勝ちだったんだよな」
石山がそう言うと、清水はニヤリと笑った。
「それだったら、また倒してやろうと色気が出ちまうかもな」
「近付かなかったら勝ち目はねぇぞ」
仲間にハッパを掛けられた相手は、横山の大振りの右をかわし、体を預けるようにしてロープ際へと押し込んだ。


