君に出会ったのは、裕人を失ってから5年目の春だった。

大学を卒業して、大手会社に就職した私。

それなりに学力はあったし、真面目な方だから、すぐに就職は決まった。

君はそんな緊張した式の中、私の隣でいびきかいて寝てたんだ。

正直呆れた。

なんだこの人って。

けど、興味を惹かれたんだ。

どんな人だろうって。

そして、君の瞳は空いたんだ。

大きくて真っ直ぐな瞳が私を見つめたの。