「父が貴女にそんな機能までつけていたなんて……そして、貴女はそれを父のために使ってくれていたなんて……!」 彼は震える声でそう言いながら、涙を流し続けている。 「ねぇ。涙って、どんな時に出るものなの?」 「……悲しい時、ですよ」 「じゃあ、貴方は今、悲しいの?」 「嬉しい時にも出るんです」 「難しいのね、人間って」 二人でくすくすと笑いあった。 久々に触れた笑顔は、やっぱりフレイにそっくりだった。