「それは、人間にも出る物なの?」 彼は一瞬不思議そうな顔をしたが、すぐに頬を指し「涙の事ですか?」と言った。 「【ナミダ】?」 「えぇ。……『人間も』という事は、もしかして、貴女も出た事が?」 「一度だけ。フレイが死んでしまった時に出ていたわ」 そう告げると、彼は更に大粒の涙を流し始めた。