「パパー!」 抱いていた少年を降ろすと、彼は一目散に父親の元へと駆けだした。 恐怖や不安から解放された彼らは強く抱きしめあっていた。 私にはわからないが、恐らくあれが【家族愛】というものなのだろう。 正義のヒーローを気取るつもりはさらさら無いが、何となく邪魔をしてはいけない気がして私は二人に踵を向けた。