彼を自分の部屋へ通す。
両親はいないため、何処にいようが怯える必要はないが、やはり一番落ち着くのは自分の部屋である。

ベッドに彼を押し倒した。
薄い唇に自身の唇を重ねる。
暗い部屋、ベッドの上でキスを繰り返す深夜一時。
何かを埋めるように必死で彼を抱き締めた。
何度かキスを繰り返すと、彼の指が服を捲るのがわかる。
直接指が肌に触れ、身体が反応する。
熱い息が漏れた。


「……っ」


何故か涙が出そうになる。
彼にバレないようにすぐに腕で拭う。
壊れても涙は出るのか、と。


「なつ、め、君」
「何?」


彼を見下ろすような体勢で名前を呼んだ。
それが気に食わなかったのか、急に視界が反転し、気付いたときには私が彼を見上げていた。


「私はもう、夏目君の物だよ」