みすみの花が開くとき

烏丸玉兎はLievreに居た。





勢いよく扉が開く。

現れたのは、血相を変えた凛だった。


「マスター!」

「おや、凛ちゃん。いらっしゃい」

「誠君が刺されたって…!」

「そのようだね」

「『そのようだね』じゃなくて!

なに呑気に営業してんの!」

「今日は営業日だからね」

「…っ。もういい!」


凛は慌ただしく出て行った。