「こういう自然いっぱいなところもいいね、裄」 あたしは笑顔で裄に話しかける。 裄は終始ニコニコしながら、あたしの声に耳を傾けていた。 「こんなに喜んでくれると思わなかった」 裄は嬉しそうに言った。 喜ぶに決まってるじゃん。 裄が用意してくれた旅行だもん。 目的地に着く前から楽しくてたまらないよ。 「けど浅海。とりあえず休んどけな? 行ってから疲れるぞ」 「はーい」 あたしは大人しくなり、裄の隣にくっついた。