裄の家に着いて、家の中へと入る。

裄の部屋に入ると、ベッドにあたしを座らせた。

そして、勢い良くあたしを抱きしめた。


「裄…?」


あたしをきつく抱きしめる裄。


「何で…泣いてんの?」


小さな声で、あたしに問いかけた。


「えっと…」


言いにくそうにしていると、


「もしかして…恩田のこと?」


弱々しい声で、呟く裄。


「ううん…恩田さんじゃないよ」

「じゃあ、なんで?」