「………陽(ハル)……」 無意識だろうか、つい彼の名前をつぶやく。 陽は心配してるのかな。 突然私が消えてしまって探してくれてるのかな。 陽の名前は、楠木陽(くすのき はる)。 幼馴染みで私の彼。 たくさん陽に助けられた。 私は陽がいないと…だめになる。 はやく、戻りたいよ。 そう思うと一筋の涙が零れた。 その彼女の姿はとても綺麗で儚かった。 零れた涙は静かに頬を伝って落ちた。 「っ……」 誰か、いる。