リムジンに乗っても会話はない。 剛に連れられてきたのは、これから私が生活するマンション。 「何もかもしてくれてありがと。ここまでしてくれなくても。」 「言っただろ。ただの自己満足だから、気にすんな。」 気にするよ。 罪滅しだからこそ、すごく気にするの。 「本当に一人で住むか?」 「うん。」 そう言うと剛は、悲しそうな表情をして「困ったことがあったら来い。」 そう言って、私たちはマンションの前で別れた。