張見世に出てすぐ指名された。 「陽炎。初仕事だ。行って来なさい。」 番頭さんが言う。 静かに目を開け、立った。 客は部屋で待っている。 その部屋まで、ゆっくり歩いて行った。 『金を稼いでこい』 そう言ったヤクザの声が頭に響く。 私は利用されてる。 なら、私もとことん相手を利用する。