「…玲ちゃん?どうしたの?憐斗は?」

憐斗、という言葉を聞いてビクっと反応する。

「美紅ちゃんに…看病されてるんじゃ…ないかな…」

そう言うと葵君の眉間のしわが濃くなる。

「え、美紅?あいつ出入り許されてないよね?」

まだちょっと口調が治らないまま。

「許されたんじゃないかな…?
…葵君、私、今日は帰るね」

「え…?」

「ごめんなさい。真君もごめんね、じゃあ…」

私はそう言うと鞄を持って部屋を出て1人、階段をおりた。

あ、本だけ忘れて来ちゃった…

まあ…いっか。