学校から家まで約1時間半
ようやく家に着いたのは夜の7時頃だった。


ガチャ
「ただいま」

その言葉に反応はなく家は静まり返っている。

またか…。
そう思いながらリビングへ行くといつものように机の上には母からの置き手紙と千円札が2枚。

置き手紙には夜ご飯はこれで買って食べてね。

といつもと同じ文が書かれている。
時々使いまわしているんじゃないかってくらいいつも同じように丁寧に書いてある。

虚しくなる。
中学入ってこの一軒家に引っ越してきた頃から毎晩これだ。

夜はほとんどと言っていいほど会わないし朝も2週間に1回くらいしか会わない。

そんな日々が続く。
頭では全然平気だと思っていた。
なのに何故か今日はものすごく虚しく感じた。

1人でいるのが嫌になる。
私は気づくと家を飛び出し夜でも明るく賑やかな場所へ歩いていた。