「何かの間違いだ·········っ。」 自分に間違いだと言い聞かせるけど、体は、ガタガタ震えている。 「嘘だって誰か言って·········?」 一人だけの無駄に広い病室に声が響く。 その声は今にも消え入りそうだ。 ───ガラッ 「!」 誰か来た。 ───お母さんだ。 「おっ、お母さん!私、治ったよ!手が動くよ!」 盗み聞きをしていたのがばれない様に必死に笑顔を作って喜んだ。 「────蓮、よく聞いて?」