家に帰った蓮は、驚きを隠せない様子で自分の部屋の椅子に座っていた。





「それで、お母さん·········。それ、本当?」





「えぇ、本当よ。」





「私の手·········治るの?元通りに。」





「········えぇ。」




「っ!じゃっ、じゃあっ!」



絵が書けるっ!








·······と言う事は叶わなかった。





「でもね。」





蓮は言葉を遮られたが、決して文句は言わず、お母さんの話に耳を傾ける。




「·········手術が、あるの。」




何だ、そんな事か。



一瞬身構えた蓮はふっと気を抜いた。







「··················手術は──」




また絵が書けるならどんな事でも我慢できるよ。そう言おうとした。







─────が。





「失敗したら、手を·········」



言いにくそうにお母さんは告げる。






「─────切断、しなきゃいけなくなるの··········。」






「─────は?」