「だって『他の女には興味ねー』なんて言われたら、心配する必要ないもん」

「あ、たしかに。じゃーもう言わない」

「えぇ」



思いっきり不満を顔に表すあたしに、今度は那央が笑った。

すると、いつの間にか交番内に戻っていた小柴くんが、中から那央を呼ぶ。



「片霧さん、本署から連絡です!」

「はいよ。じゃあな、縁も本当に気をつけろよ」

「うん。また後で」



那央はもう一度あたしの頭をぽんと撫でた後、颯爽と交番の中へ入っていった。


今日も帰りは遅くなるかな。

でも、あたしはいつまでも彼を信じて待っていよう。

まだ1センチくらいしかない、小さな小さなこの子と一緒に、今以上に幸せな未来を描きながら。



「仲良しなんだねぇ。あのお巡りさんには、私も親切にしてもらってるのよ」



ふいに、あたし達を見ていたらしい通りすがりのおばあさんに、ニコニコ笑顔で声をかけられる。

あたしは気恥ずかしさを感じながら、けれど誇らしげに頷いた。



「──彼はあたしの、自慢の旦那です」






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