二人のやり取りがおかしくて、あたしは笑いっぱなし。

那央ってば、検査薬で陽性が出たらもう嬉しすぎたらしくて、すぐ小柴くんに言っちゃうんだもん。

安定期に入るまではまだまだ油断出来ないから、気をつけないとね。


不思議なもので、妊娠がわかった瞬間は嬉しさ以外の感情はなくて。

那央がいなきゃ……という不安は、もうどこかへ消えていた。


あたしがこの子を守るんだって思うと、どんどん強い気持ちが沸いてくる。

これが母性というものなのかな──母親って本当に凄い。



「いやぁ、ますます結婚の夢が膨らみます~」

「あたしも早く舞花の花嫁姿見たいの。お願いね、小柴くん」

「任せてください!」



彼の頼もしい返事に安心する。

すんなり付き合った二人は順調に愛を育んでいて、結婚する日も遠くはなさそうだ。



「あー! イケメン警官が女口説いてる!」



その時、少し離れた所から、他の人が聞いたら疑われそうな言葉がこだました。