「何ぶつぶつ言ってんの」

「えっ!」



ヤバい、声に出てたのね。

気がつけばもう脱衣所に移動してるし、那央は浴槽にお湯を溜め始めている。

薄いニットを脱ごうとするも、少しだけためらいの気持ちを残して止まっていると。



「もうさ、隔(へだ)たりをなくして繋がろうぜ」

「~~~っ!」



諦めろ、とでも言いたげな口調で、なんだかスゴいことをあっさり言い放った那央は、赤面するあたしの肩をぽんと叩いた。

あぁもう、なるようになれー!


半ばヤケ気味で服を脱ぐと二人で中へ入り、シャワーを浴びた。

那央はボディソープを手に取ると、もくもくと泡立ててあたしの身体に滑らせていく。


二人でお風呂に入る時はだいたい、あたしは子供になったみたいに身体を洗ってもらうのだ。

那央がそうしたいって言うから、恥ずかしいけど仕方なく。



「俺、やっぱり男の子と女の子、一人ずつ欲しい」



背中を流してもらっていると、ゆっくり那央が話し始めた。



「俺みたいに逞しい男の子と、縁みたいに料理上手で優しい女の子。これが理想だな」