コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】

「また呼び出し……」



再び気持ちが沈み込み、やりきれない思いが渦巻く。

あーもう! このまま一人でいたら気が滅入る一方だ。

じっとしているのが嫌になったあたしは、行く宛てもないまま外へ飛び出した。



暖かい日差しの下、さっきと同じ桜並木を歩くと、少しだけ気が安らぐ。

はらはらと舞い落ちる花びらを眺めながら、前にも似たような気持ちになったことを思い出す。


あれは高2の冬だったかな……

那央も、舞花や奈々ちゃんも、お母さんも、皆が遠くなってひとりぼっちになったような気がした。

訳もなく寂しくて、河原で一人泣いたっけ。


もう今は一人じゃないという自信がある。

帰る家は同じなんだから、待っていれば大好きな人と必ず会える。

あたしは、ただ泣いて落ち込んでいたあの頃とは違うんだ。



「……やっぱり帰ろう」



もしかしたら那央の仕事もすぐに終わるかもしれない。

お昼ご飯食べずに行っちゃったし、早めに料理作って待っていよう。