見上げあおうよ




紗乃先輩のことは初めて職員室前で見かけたときからすごく気になっていた。



でもスリッパの色から先輩だってことにすぐに気付いて、話すことなんてないと思ってた。



けど、紗乃先輩が配布物を運ぶのに困っている姿を見かけたとき、これは話せるチャンスだと思った。



紗乃先輩はすごく優しい先輩で、運んでいるときも俺の心配ばかりしてくれて。



もっともっと話したいって思ったんだ。



後輩として見られるんじゃなくて、男として見てもらいたいけど、やっぱりこの前まで中学生だったことにはかわりがない。



ただ身長だけは3年と並ぶくらい高い自信がある。


逆にそれだけしかないけど。



俺はすげーかっこいいやつでも、すげー良いやつでもない。



告白したときに優しい紗乃先輩の困った顔なんて見たくないし。



絶対に困らせたくないから、告白なんてできない。



なんてただ自信がないだけなのかもしれない。



振られるのがこわいだけなのかもしれない。