そんなこんなでショーが終わった。


「健吾、楽しかったね! イルカちゃん可愛かった〜♪」


「あぁ、そうだな! ……じゃあもうそろそろ帰るか……」


「うん……」


私達は水族館を出て兎乃駅で降りた。


「……あ、雨だ……私、傘持ってないや……」


「俺もだ……どうしよ……」


「じゃあ走るしかないよね……」


私が走ろうとすると、健吾引きとめて着ていた服を軽く私の頭の上に被せてきた。


「……こうすれば濡れないで済むよ」


「え……でもそしたら健吾が……」


「大丈夫! 立夏の方が大事だから」


健吾はそういってニコッと笑った。


「じゃ、立夏いくよ」


私達は駅から家まで20分かかる道を走った。



「立夏……濡れなかった?」「うん、いく!でも……健吾の服が……。健吾も濡れちゃったし……」「大丈夫だって! 俺、滅多に風邪引かないし。じゃあ、おやすみ」


そういって健吾は私にキスをして部屋に入っていった。