「あっ、そうそう、12時からイルカショーあるけど、い――」


「いく! 絶対いく!!」


「ぅおっ……立夏の目がキラキラ光ってるように見えるっ……」


「健吾っ、早く広場にいこっ!」


私は健吾の手を引っ張って、イルカショーが始まる広場にいった。広場に着いたが、まだ誰もいなかった。


「やったー! 1番だー♪」


「そりゃそうだろ立夏……まだ11時だよ?」


「んー……じゃあゲームしよ! しりとり!!」


「あぁ、じゃあ……イルカ」


「カ……カルメ焼き!」


「きゅうり」


「リス!」


「スイカ」


「んー……カステラ!」


しりとりを始めてから1時間後。


「…………まぐろ!」


「ろ……露天風呂」


「ロシア!」


「ア……あんぱん! ……あっ」


「健吾の負けーっ!」


「なんか悔しい……あっ、ショー始まるよ」


「わーい♪ イルカッ、イルカッ♪」


広場の入り口から女性の飼育員が出てきた。


「みなさーん! こんにちはーっ! 今日はきてくれてありがとー! 早速、イルカさん達を呼んでみましょう! せーのっ」


「「イルカさーーんっ!!」」


私は大声で叫んだ。