――ガララッ……。


数学室に入ると、石川先生が椅子に座ってテストの丸付けをしていた。


「……おっ、斎条きたか。俺がなんでも教えてやるからな」


……なんでも……?それって、恋愛のこともなのかな?それとも、あんなことやこんなことも……


「……どうした、斎条。顔が真っ赤だぞ?」


「……えっ、あ……! す、すすすすすみませ……っ」


「……もしかして俺のこと、好きなの? 先生としてじゃなくて、男として……ね」


先生はあたしを壁の方にどんどん追い込み、さらに両腕を掴まれて私は動けなくなった。


「…………なあ、どうなの?」


「……す……数学早く教えてください……」


「……本当は俺と2人きりになりたいんだろ?」


「…………はい……」


すると、先生はあたしを抱きしめてきた。


「俺だって斎条と2人きりになって……話したかった……」


「先生っ……」


「ん? なんだ?」


「…………好きです。あたし、生徒ですがダメですか?」


「……俺も好きだ、付き合おう」